司法の迷走

この数年,特に気になるのが司法判断の在り方だ.村上ファンドライブドア事件がその典型だが,明らかな経済犯罪として立件できるかどうかより,社会的制裁の意味で立件しているのではないかと感じるケースが多々見られる.
いわゆる「ヤミ金融」会社の摘発やインサイダー事件の摘発,また不適切な財務内容の開示などは当然処罰の対象となるし,その犯罪性や逮捕理由を容易に理解することができる.しかし司法本来の範囲を逸脱し,なんとなく「逮捕劇」を見せることによって社会的制裁を受けさせるようなやり方があるとすれば,それは著しい財産権の侵害につながる可能性を否定できない.