従業員カットは企業戦略の失敗だ

企業が働く人々をコストととらえ,利益を確保するためにそのコストの最少化をめざす雇用観が広がった結果,所得格差は拡大した.しかし,少し長めの物差しを持てば,企業の利益は働く人々の創意工夫や,人々の痛みに何とか応えようとする意欲,また互いに不足を補い合って成果をあげるという共同の力こそが源泉である.長い目で見れば,日本の働き手のもつ高いポテンシャルを生かしてこそ世界が必要とする新しい商品やサービスの開発やハイレベルな品質管理も可能となる.これを見誤れば「高付加価値化」という,先進国に不可欠な道が見失われる.
新聞コラムより.従業員をコストと見なす段階で,すでに「高コストの原因」と言っているようなもの.でも,それって企業の戦略失敗を示すものである.そういう認識でいるべき.