長期的リスク>目の前にあるリスク

とにかくそれは「目の前にある」というだけで「長期的なリスク」よりも優先的に配慮されるべきものとされている.繰り返し書いているように,これはビジネスマンに特有の「業界的奇習」である.会社経営をしている場合,今期赤字を出したら株価が下がる.資金調達が難しくなり,資金繰りがつかなければ不渡りが出て,倒産する.目の前のリスクを逃れ損ねたら,長期的リスクについて考える主体そのものが消滅するからである.その判断は,彼らがビジネスというゲームをしている限りは合理的である.
内田先生のコラムより.