受託

村上さんが「自分はある種の才能の受託者だ」というふうに感じていることを表している.「僕は決して選ばれた人間でもないし,また特別な天才でもありません.ごらんのように普通の人間です.ただある種のドアを開けることができ,その中に入って,暗闇の中に身を置いて,また帰ってこられるという特殊な技術がたまたま具わっていたということだと思います」.「特殊な技術」は大上段にふりかぶった文学理論や勘定高いビジネスマインドによって管理されるべきではない.その技術の使い方について,長期にわたって集中的に考えてきた「専門家」に受託されなければならない.
内田先生のブログより.「才能の受託者」という境地になれば,ある種の謙虚さが生まれるような気がします.その才能を独占することなく,その才能でもって人々を幸せにせねば.