離見の見・目前心後

世阿弥は約600年前に「離見の見」(りけんのけん)・「目前心後」(もくぜんしんご)と言った.つまり,能をうまく舞うためには「舞台を俯瞰(ふかん)できる場所に(想像上の)視点を置き,自分自身の舞いを客観的に眺めよ」「目は前を見ているが,心は後ろに構えておけ」と指南するのだ.優れた舞いは,現実に舞っている自分と,それを監視し冷静にコントロールするもう1人の自分との共同でなされるという奥義である.世阿弥の伝えたことが,今日の心理学でいうメタ認知にほかならない.
村山昇氏のコラムより.メタ認知.なかなか冷静になれないんですよね.