最近の採用

企業の採用はたいていエントリーシートの通過に始まり,何度か面接を重ねていく.1次・2次といった早い段階では入社10年目以内の若手面接官が担当し「一緒に働きたい学生か」などを見る.3次など中盤になると人事部長クラスが協調性・論理的思考などを見るのが一般的だといわれる.
「採用数を絞っていることもありますが,企業にとって採りたくない学生が増えているのも大きな要因.採用人事から聞こえるのは,氷河期の学生と比べてゆとり教育の弊害なのか,筆記試験の成績が明らかに低下しているという声です.文章にしても,てにをはのレベルがまともに書けないというのです」
企業が採用したい学生の要素でここ数年,劣化していると感じる点を二つ挙げる.

  • 「率先行動をする」

人に指示されなくても動く.その向上心がある学生を企業は求める.「率先行動」は1次面接など初期段階で見抜きたいが,「若手の面接官たちは学生たちに覇気がない,元気がないとバッサリ切っています」

  • 「察する能力」

就活で大切と言われる「コミュニケーション能力」の要素だが,学生はプレゼンテーションといった主張するコミュニケーションには慣れていても,「腹を読む」ことが苦手だという.「言葉がない中で相手の気持ちを理解する力がない.後半の面接で落ちるのは察する能力に欠ける学生です」
「最後のスクリーニングでは,ストレス耐性やこれからの伸びしろがあるかどうかを見ます.最終面接まで残る人はこなれている人が多いのですが『最終落ち』にハマる人は器用な人やルックスがいい人という傾向が見える.好感度が高いので,ゲタをはかされてしまうのです」
「逆にテクニック的な対策や攻略を練らないことをオススメします.あるとすれば,その企業で働く考えや思いを深めておくという,非常に基本的なことをしっかりすることです」