日本人はピンチに強い

日本人はピンチに強い。このことについて、日本人はもっと自信を持っていいと思います。昔から日本は天災の多い国でした。三陸地方に限らず、江戸時代の東京も地震や大火により市中が何度も焼け落ちている。でもその度に人々は再び立ち上がり街を立て直してきたのです。どんなに人事を尽くして準備しても、それを超える自然災害は必ず起きる。

僕はドイツ人記者にこう説明しました。ドイツのケルン大聖堂は何百年もかけてつくりあげたものだが、それは比較的天災が少ない国だからできることなのだと。同じことは日本にはできない。日本は努力して築きあげたものが天災により一瞬にして破壊される経験をあまりに持ちすぎている。そのような国では、伊勢神宮のように20年ごとに遷宮する感覚がデフォルト(標準、通常の意)になるのだと。

茂木健一郎氏のコラムより.