選択と集中の議論の本質は「選ぶ」ことより「捨てる」こと

日本企業全般に言えることだが、とにかく意思決定力に乏しい。今日の重要な意思決定局面においては、限られた時間的な幅の中で思い切った「あれか、これか」の選択を迫られる。いわゆる選択と集中の議論の本質は「選ぶ」ことより「捨てる」こと。捨てなければ、選んだ事業領域に資源集中はできず、より大胆に勝負を挑んでくる欧米や新興国企業に敗れることになる。しかし、共同体的な色彩が強く、ムラ内の調和を大切にする日本企業において、捨てる意思決定はいつも「遅く」「曖昧」になる。

冨山和彦氏のコラムより.