主体性のある個人は,主体性をもつ他者を尊重する

主体性のある個人は、同じく主体性を持つ他者を尊重する。「他者の人格を目的として扱う」というカントの格率にも、通じる哲学だ。「ブラック企業」が許されないのは、人を目的ではなく手段として扱うからである。結果として、その企業が一時的に収益を上げたとしても、その「外部不経済」のツケが社会に回ってくる。人間を手段として扱うのか、人格を目的として尊重するのか。この点が、ブラック企業と伝説企業の分かれ目になる。

茂木 健一郎氏のコラムより.